海外では50mm以上の大型もいますが、日本のコオロギの成虫は体長が10mm前後くらいから40mmほどで、中には数mmくらいの小さな種類もいます。
色は黒やこげ茶が多く、田畑、草原、森林、人家の周囲などの地上に生息しています。ほとんどのコオロギは夜行性で、雑食です。
オスの成虫の翅にはやすり状の発音器や共鳴室が備わっていて、毎年8月くらいから発音器をこすり合わせて鳴いたりします。
産卵期には、メスが土中や植物の組織内に産卵管を差しこんで産卵します。
コオロギの種類
代表的な日本のコオロギは、エンマコオロギ、ミツカドコオロギ、オカメコオロギです。
コオロギは見た目だけでなく、セミのように鳴き声だけでも見分けられることが特徴です。
コオロギはいったいどんな鳴き声で違いがあるのでしょうか?
エンマコオロギ
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体長は26mmから32mmで、日本本土に生息するコオロギ最大種であり、一番身近なコオロギです。
複眼の周りの黒い模様とその上の眉のような淡褐色の帯が、閻魔の憤怒面を連想させるために、付いた名前です。
8月から11月ころに、オスの成虫は前翅を立ててこすり合わせ、「コロコロリー」、「キリリリー」、「ヒヒヒヒヨヒヨヒヨ」と聞こえる鳴き声を出します。
ミツカドコオロギ
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体長15mmから20mmで、オスの成虫の頭は扁平で前方に傾斜しています。さらにはその左右、上方、口の四方が突び出していて十文字になっています。
背面からみると、左右前方の三方向にかどが出ているように見えるので付いた名前です。8月から10月ころに、「キッキッキッキ」と歯切れ良く鳴きます。
オカメコオロギ

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一般的には、オカメコオロギと言えばハラオカメコオロギのことです。体長は13mmから18mmで、オスの成虫の頭は扁平で、前方に傾斜しています。
この扁平な頭部の下半分が下膨れになっていて、「おかめ」を連想させるためにこの名前が付いています。8月から10月に、「リ・リ・リ・リ・リ…」とミツカドコオロギより弱い声で、ややゆっくりしたテンポで鳴きます。
コオロギの飼育
容器
フタ付きのプラスティックの容器が、軽くて掃除が楽です。コオロギはプラスティックの壁面を登りません。飛び跳ねて外に出られない程度の高さがあれば問題はありません。
環境
コオロギが歩きやすいように、乾いた砂か古新聞を敷きます。餌や排泄物の臭いが出るので掃除をして清潔にする必要がありますから、土を入れるより古新聞の方が便利です。
そしてアコーディオン状に折った厚紙か、丸めた新聞紙を使って隠れ家を作ってあげます。
餌(えさ)
雑食ですから、人間の食べ物は殆どの物を食べます。ラット用の固形飼料や、金魚の餌も食べます。
タンポポ、キャベツ、カボチャ、ニンジン、キュウリ、リンゴも、よく食べます。
自身の脱皮した抜け殻を食べる習性があり、また共食いをすることもあるので、植物質と動物質の餌を適度に混ぜて与えるようにします。
水を入れた管の端に濡らした綿を詰めて立てかけておけば、コオロギが湿った綿から水分を補給します。
8月の半ばを過ぎると秋の虫が鳴き始めます。昔、子供たちに人気があって「ジー」と鳴いていたおケラも、コオロギの仲間です。
コオロギもおケラも、最近はカナダではあまり見かけなくなりましたが、ホタルは増えてきています。
昆虫の世界も、少しずつ変わってきているのですね。